模索しながらリーダーシップ発揮 : Learning Assistant 設置に向けて

リーダーシップ=自分にはないもの?

 リーダーシップと聞くと、みなさんはどんなことが思い浮かびますか?生徒会長やキャプテンといった肩書きを持った人だけに関係があるもの、場を仕切ったり、皆をまとめて引っ張っていったりすること、というようなイメージがある人が多いのではないでしょうか。

 私たちも入学当初はそんなイメージを持っていて、自分とはあまり関係ないような気がしていました。しかし、1年生の頃に履修した国際文理学講究「英語で学ぶリーダーシップ」の授業や体験学習「スリランカ Exploring “Development” プログラム」を通して、リーダーシップは立場や権限によらず、誰もが発揮できるものであるということを学んできました。とはいいつつも、自分がリーダーシップを発揮できているという自覚はほとんどなく、グループワークで積極的に発言する人、司会進行をしてくれる人がリーダーシップをよく発揮できている人で、そんなふうになれることが理想だと思ってしまっていました。

 でも、そんな私たちの意識が大きく変わる出来事がありました。それが、2021年9月6~8日の3日間で行われたリーダーシップキャラバン(共催:株式会社イノベスト、早稲田大学)というイベントです。同イベント参加後、私たちはこのイベントでの発見をぜひとも福女大生にも共有したい!と思い、報告会を企画、10月12日に開催しました。

 一体どんなイベントだったのか。私たちは何を発見したのか。少し長くなりますが最後まで読んでくださると嬉しいです。

自分のリーダーシップを発見

 リーダーシップキャラバンとは、数名のグループで、問題解決のための企画を作るグループワークを行い、リーダーシップ発揮について学ぶためのイベントです。全国の19大学(立教大学、共立女子大学、早稲田大学など)からリーダーシップについて学んでいる学生81名と社会人15名が集まり、「個性を磨くもよし、増やすもよし、キャラバンでの経験を活かしてそれぞれの場で輝こう!」という目標のもと、活動しました。

キャラバン参加大学

 3日間の活動は課題解決のためのグループワークが中心でした。他大学の学生たちとのワークにワクワク5割、ドキドキ5割で参加しました。お互いの性格を詳しく知らないながらも、目的を達成するために遠慮せず意見を出し合うことを楽しみ、グループワークに取り組みました。そして、ひとりひとりの行動がグループの雰囲気にどんな影響を与えていたかを伝え合い、自分でも「これは自分のリーダーシップだったんだ」と新たな発見がありました。

福女大にLAを!

 どんな仕掛けがあったから自分のリーダーシップに気づけたのか、今まで受けてきたリーダーシップ教育とキャラバンは何が違ったのか。この2つに対してキャラバン終了後に自分たちで正直な思いを思いつくまま話していくうちに、学生をサポートしてくれるLA(Learning Assistant)のサポートが大きかったことに気づきました。

 LAは、グループワークを行う学生を見守り、議論が迷走した時に学生が目的に立ち戻れるように問いかけ、グループワークを通して学生の強みを発見し、学生ひとりひとりに対してその人特有のリーダーシップとは何なのかを伝えてくれました。

 このように学生どうしでリーダーシップを引き出すような制度が福女大にもあれば、自分の強みを見つけ、「今はここまでできているから次の段階に進んでみよう」と自分がやってみたいことに挑戦できる雰囲気が大学全体で生まれると考え、福女大なりのLA制度をつくりたいと思いました。自分たちの3日間での収穫を示し、福女大の学生や教職員の方々にひとりひとりのリーダーシップの発揮で学生生活を充実させることができること、そのためにLA設置が有効であることを伝え、少しでも賛同してくれる人を増やすことを目標に報告会を行いました。

 報告会には、学生に加え向井学長や渡辺副理事長、来年度開設される「女性リーダーシップセンター(仮)」準備室長の豊貞先生をはじめとする教職員の方々、そしてキャラバン主催イノベスト・廣岡様がお越しくださり、約50名に自分たちの収穫とLA設置アイディアを伝えました。報告会終了後のアンケートでは「自分の行動もリーダーシップであることに気づいた」「LA制度がほしい」といった声ももらえました。

 現在は、他大学のLA制度を調べ、それらをもとに福女大ならではの制度にできるよう絶賛模索中です。今までは既存の制度内で学んできましたが、今回は自分たちが制度そのものをつくるという初めての試みです。まわりの学生や先生方、職員の方々に働きかけ、巻き込み、模索途中ももがきながら自身のリーダーシップ発揮の場として楽しんでいきます。LA制度をつくることで、学生ひとりひとりが自分の存在意義を自覚し、やりたいことに挑戦できる福女大にしたいです。

環境科学科2年 坪根由依 (福岡県立福岡高校出身)(写真:右)
大学1年生時に体験学習「スリランカ Exploring “Development” プログラム」を履修しました。自分で考えて行動することが求められるこの授業で、様々な失敗を繰り返しながら今まで「指示されたことをこなせばいい」、なんとなく、で物事に取り組んでいた自分がいたことを発見しました。自分で考えることに対して怠惰である点を突き付けられ、「なぜその指示がなされたのか、その背景を考えよう」、「まだまだできる!と思える自分でいたい」と思うようになりました。指示をそれなりにこなす「いい子」から脱却するという目標のもと、現在はカタカタJD-メイト学生委員にも関わっています。よく友達から言われる言葉は「坪根ってどこにでもいるよね」。多くの学生に自分が参加している活動が認知されていること、少しでも興味を持ってもらえることを嬉しく感じています。


国際教養学科2年 野村風香 (福岡県立東筑高校出身)(写真:左)
大学1年生時に体験学習「スリランカ Exploring “Development” プログラム」を履修しました。1年間、それまであまり経験のなかった、「なぜそう考えるのか」「なにが自分をそうさせているのか」を問われ続け、自分自身と向き合い、「自分がどうありたいか」を考えること、目的を持つことの大切さを学びました。目に見えて成長していく他の履修メンバーに対して大きく変わることのできない自分に焦りを感じつつも、カタカタをはじめ、少しでも興味を持ったことには挑戦し、少しずつ自分の変化を実感しています。まだまだ、まだまだという意識で、今後も様々な活動に参加し、様々な人と関わっていきます。
 

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